ベトナムのドクちゃんの結婚式の映像を見た。
もう、ベトちゃんとドクちゃんを知らない人もいるのだろうか。
彼らは、ベトナム戦争で米軍によって撒かれた枯葉剤が原因で
骨盤から下はひとり分の機能しかない「結合双生児」だった。
1988年に日本で分離手術が行われており、当時はかなり報道された。
今日、ドクちゃんがインタビューで、
「弟(ベトちゃん)のおかげで、僕が今こうしていられる」と言う趣旨の発言をしているのを見た。
自分以外の誰かを犠牲にして、
自分が今、存在してることを認識している発言だ。
漫画の話になり恐縮だが、萩尾望都の「半神」を思い出した。
同じように結合双生児として生まれた姉妹。
同じように分離手術が行われた。
それは、知性が劣る妹を犠牲に、美貌が劣る姉だけが助かる手術。
妹の死後、姉は、妹と同様の美貌と自由を手に入れる。
だけど、姉は常に自分の存在を妹に投影しながら生きていく。
本当は自由が当たり前なのに、結合双生児として生まれたばかりに、
自由でいることに罪悪感を覚えなきゃいけない。
そのむごさ。
ドクちゃんは「半神」の姉妹と違って、脳障害のあるベトちゃんと平等に足を分けた。
それでも罪悪感があるのかもしれない。
人為的に結合双生児となる原因を作った枯葉剤を改めて憎む。
 | 半神 萩尾 望都 (1996/08) 小学館 |
