2007-04-09 Mon
1000人収容ホールで観客100人という数字 〜和泉元彌公演〜
和泉元彌家の金銭トラブルについて、
連日鬼の首をとったようにマスコミが叩いていたわけであるが、
気になるのは、狂言の公演に訪れる観客数についての報道である。

石垣市民会館では1000人収容の大ホールで、
訪れた観客は約100人。

マスコミは閑古鳥が鳴いているかのように報道している。

だけど、果たしてこれがお寒い状況といえるのかどうか。

そりゃあ有名バンドが1000人収容できるホールで
観客100人だけって言ったら落ち目になったとしか思えない。

だけど、和泉元彌の公演は狂言である。
狂言は、本来能楽堂で演ずるものである。

全国の主要な能楽堂の収容人員を調べてみたが、
だいたい300〜500人くらいが相場。
(例:国立能楽堂の定席591人。宝生能楽堂は定席472人、補助席105人。)

1000人収容の大ホールに何人集まったか、という検討は
演目が狂言であることを無視しているのである。

それでも1000人は入れるじゃねえか、閑古鳥には変わりない。
野村萬斎なら1000人くらい集めてるぞ、と反論されるかもしれないが、
それは野村萬斎の現在の人気が異常なのだ。

日本の伝統芸能の集客力は、一部を除いて見る影もない。
人間国宝クラスでも、何百人集めるのは至難の業。

「1000人収容の大ホールで、観客数約100人」という事実を
やたらと強調するマスコミ報道は、
自分たちが現在の日本の伝統芸能の現状を何も知らないことを
露呈しているのである。

Kyogen TABLEAUX 劇的空間―和泉流二十世宗家・和泉元弥写真集 Kyogen TABLEAUX 劇的空間―和泉流二十世宗家・和泉元弥写真集
和泉 元弥 (2000/10)
河出書房新社


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2007-04-02 Mon
「芋たこなんきん」と「サザエさん」
最近のドラマは、起承転結がはっきりしている。

おそらく視聴率を落とさないための工夫なのだとは思う。
だけど、その結果、全ての場面が必然性あるものになってしまい、
ドラマ全体に余韻がなくなりがちである。

見ててしんどい。

NHK朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」が素晴らしかったのは、
ドラマ全体のストーリーからすれば不要な、
日常の些細な出来事や、何気ない会話が、魅力的に描かれている点にある。

なんてことない夫婦間の会話であるにも関わらず、
いつまでも聞いていたいと思わせてくれた。

そして、これだけ魅力的に夫婦を描けたのは、脚本と、
藤山直美(町子)と國村隼(健次郎)の演技力のたまものである。

と、ここで話は突然「サザエさん」へ。

ずっと思っていたことなのであるが、「サザエさん」はすごく変わった

「サザエさん」も、「芋たこなんきん」同様、
家族の何気ない日常が、毎週毎週描かれているはずである。

でも、現在放送されている「サザエさん」には、
実は、はっきりとした起承転結がある。

昨日の放送回では、
サザエさんは、仮病を使って、
弟カツオがどのくらい姉を大事に思っているかを試していた。

だけど、カツオはサザエのために病院に行くふりをして、
中島くんの家に遊びに行ってしまうのである。

サザエもカツオもお互い相手を騙し合うのだ。
なんという殺伐とした展開。

私が子供の頃の、のほほんとした「サザエさん」とは全然違う。

アニメ「サザエさん」の製作者には、「芋たこなんきん」を手本として、
日常をもっと魅力的に描けるよう努力してほしい。

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